RAID(Redundant Array of Independent Disks)とは?ゆるーくわかりやすく解説



1. RAID(Redundant Array of Independent Disks)とは?
RAIDは、複数のハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などの補助記憶装置を一つのシステムとしてまとめて使用する技術です。データを効率的に管理したり、万が一の故障に備えてデータを安全に保管したりするために使われます。
1.1. 英語から意味を考える
“Redundant Array of Independent Disks”を英語を直訳すると、「独立したディスクの冗長化された配置」という意味になります。
- Redundant(冗長な)
冗長性とは、何かが失われても全体として機能を維持できるようにする仕組みです。この場合、データのバックアップや復元のための余分なディスクを指します。 - Array(配列、配置)
複数のディスクが一つのグループとして構成されていることを表します。これにより、個々のディスクを一つのシステムとして扱えます。 - Independent(独立した)
各ディスクが個別に動作可能であり、他のディスクから独立していることを意味します。 - Disks(ディスク)
物理的な記憶媒体を指します。ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)が一般的です。
英語からもわかるように、RAID(Redundant Array of Independent Disks)は、複数の独立したディスクを組み合わせ、冗長性を持たせることでデータの安全性や読み書きの効率を高める仕組みを指します。


2. RAIDの目的
RAIDの主な目的は以下の2つです。
2.1. データの安全性を高める
RAIDは、万が一ディスクが故障しても、データが失われないようにする仕組みを持っています。特定のRAIDの構成では、故障したディスクを交換してもデータを復旧できるため、データの安全性が向上します。
2.2. パフォーマンスを向上させる
RAIDは、データの読み書き速度を向上させることができます。複数のディスクに分散してデータを保存するため、同時にデータにアクセスできるようになり、処理速度が速くなります。
3. RAIDの種類
RAIDにはいくつかの種類があります。それぞれ、データの安全性やパフォーマンスの向上に特化しており、ニーズに応じて使い分けられます。
3.1. RAID 0
RAID 0は、複数のディスクにデータを分散して保存し、読み書き速度を大幅に向上させます。ただし、冗長性がないため、1つのディスクが故障すると、すべてのデータが失われるリスクがあります。



3.2. RAID 1
RAID 1は、同じデータを2つ以上のディスクにコピーして保存します。片方のディスクが故障しても、もう片方のディスクにデータが残っているため、安全性が高いです。ただし、ディスクの数が増えても容量は増えません。
3.3. RAID 0+1
RAID 0+1は、RAID 1とRAID 0の組み合わせです。データを分散して保存することで速度を向上させながら、ミラーリングでデータの安全性も確保します。RAID1のペアを作成して、RAID1のペアをRAID0がつなぐ形になります。高速かつ安全ですが、たくさんのディスクが必要です。
3.4. RAID 1+0
RAID 1+0は、RAID0+1と同様に、RAID 1とRAID 0の組み合わせです。RAID0のペアを作成して、RAID0のペアをRAID1がつなぐ形になります。高速かつ安全ですが、たくさんのディスクが必要です。

3.5. RAID 5
RAID 5は、3台以上の複数のディスクにデータを分散しつつ、エラー修復用のパリティというデータを保存します。パリティのおかげで、1つのディスクが故障しても、残りのディスクでデータを復旧できます。パフォーマンスと安全性のバランスが取れているため、よく使われるタイプです。
3.6. RAID 6
RAID 6は、RAID 5にさらに安全性を加えたもので、パリティを2重に書き込みます。データの安全性を最優先する場合に有効ですが、最低でもHDDが4台必要です。
4. まとめ
RAIDは、データの保護やパフォーマンス向上を目指して複数のディスクをまとめて使う技術です。家庭用のコンピュータから企業の大規模なサーバーまで、さまざまな環境で利用されています。どのRAIDを選ぶかは、必要な安全性や速度、利用可能なディスクの数によって異なります。