セッション層とは何か?ゆるーくわかりやすく解説




1. セッション層の要点
セッション層とは・・・
- 通信のやりとりを確保・管理する層
- OSI参照モデルの第5層。
2. セッション層とは?
セッション層は、ネットワーク通信を7つの層に分けて考える「OSI参照モデル」の5番目の層です。この層は、アプリケーションがネットワークを通じて通信するときに、そのやり取り(セッション)の確立、管理、終了を担当します。
3. OSI参照モデルとセッション層の位置
OSI参照モデルは、通信を7つの段階(層)に分けて整理する概念です。それぞれの層が異なる役割を持ち、上位層ほどユーザーに近い部分を扱います。
- アプリケーション層(7層):ユーザーが直接触れる部分(例:Webブラウザやメールソフト)
- プレゼンテーション層(6層):データ形式の変換(例:文字コード変換)
- セッション層(5層):セッションの管理
- トランスポート層(4層):データの分割と送信確認(例:TCP)
- ネットワーク層(3層):経路選択(例:IPアドレス)
- データリンク層(2層):データ転送の制御(例:イーサネット)
- 物理層(1層):物理的な通信(例:ケーブルや信号)
セッション層は、アプリケーション層やプレゼンテーション層がスムーズにデータをやり取りできるよう、通信の枠組みを提供します。


4. セッション層の主な役割
4.1. セッションの確立
通信を開始するときに、どのように接続するかを決めます。たとえば、Web会議アプリで相手と通話を開始する際、セッション層は「会話を始める準備」を整えます。
4.2. セッションの管理
通信中にエラーが発生した場合でも、セッション層は適切に管理を行います。たとえば、ダウンロードが途中で中断しても、続きから再開できるようにする機能がこれに該当します。
4.3. セッションの終了
通信が終了したら、無駄なリソースを使わないように接続を切ります。これにより、ネットワークが効率的に利用されます。
5. セッション層が使われる具体的な例
5.1. Web会議ツール
ZoomやMicrosoft Teamsなどでは、セッション層が会議の開始から終了までの接続を管理します。
5.2. データベース接続
アプリケーションがデータベースにアクセスする際、セッション層が接続を確立し、必要なデータのやり取りを支えます。
5.3. リモートデスクトップ
遠隔で他のコンピュータに接続するリモートデスクトップでは、セッション層が接続を確立し、スムーズな操作をサポートします。
6. セッション層のプロトコル
セッション層で利用される代表的なプロトコルには以下のものがあります:
- NetBIOS:古いプロトコルですが、Windowsネットワークの基礎として利用されていました。
- PPTP(Point-to-Point Tunneling Protocol):VPNで使用されるプロトコルの一種。
- RPC(Remote Procedure Call):リモートのサービスを呼び出す際に利用されます。
7. セッション層の重要性
セッション層は、アプリケーション同士が確実かつ効率的に通信できるよう、環境を整える非常に重要な層です。セッション層が適切に機能しないと、通信が中断されたり、再接続がうまくいかなくなる可能性があります。