更新:2024/12/09

集合と要素の意味と種類、例題について

ふゅか
ふゅか
集合って知ってる?
はるか
はるか
知ってる。条件で分けたものの集まり。

1. 集合と要素

集合(しゅうごう)とは、「ある条件を満たすものの集まり」を指します。たとえば、「5以下の自然数の集まり」や「赤い色をした果物の集まり」などが集合として考えられます。

1.1. 集合の基本

集合を表現する際には、波括弧 {} を使うのが一般的です。たとえば、「1, 2, 3」という要素を持つ集合は次のように書きます。

$$ A = \{1, 2, 3\} $$

ここで、「集合」はグループ全体を、「要素(ようそ)」はそのグループ内の1つ1つの要素を指します。たとえば、上記の集合 $A$ では、$1$ や $2$ が要素です。

ふゅか
ふゅか
集合を書くときは波括弧「{ }」を使うよね!
はるか
はるか
「1, 2, 3」の集合なら A={1,2,3}。

1.2. 集合の要素

要素とは、集合を構成する具体的な「中身」です。要素が集合に含まれるかどうかを確認するときは、次のような記号を使います。

1.3. 要素が集合に含まれる場合

要素 $x$ が集合 $A$ に含まれる場合、次のように表します。

$$ x \in A $$

たとえば、集合 $A = \{1, 2, 3\}$ において、$1$ は集合 $A$ の要素なので、$1 \in A$ と書きます。

1.4. 要素が集合に含まれない場合

要素 $x$ が集合 $A$ に含まれない場合は次のように表します。

$$ x \notin A $$

たとえば、$4$ は集合 $A = \{1, 2, 3\}$ の要素ではないので、$4 \notin A$ となります。

1.5. 集合を使う利点

集合の考え方を利用すると、物事を整理して理解しやすくなります。たとえば、学校の生徒を「運動部に所属している生徒」と「文化部に所属している生徒」のように分けることで、グループ分けが明確になり、分析が容易になります。

また、集合の概念は数学だけでなく、データベースやプログラミングなどさまざまな分野で活用されています。

2. 集合の種類

ふゅか
ふゅか
ところで、空集合って何?名前からして何もない感じだけど…。
はるか
はるか
そう。空集合は要素が一つもない集合。記号は または {}

2.1. 空集合(くうしゅうごう)

要素が1つも含まれていない集合を空集合といいます。空集合は次のように表します。

$$ \emptyset \quad \text{または} \quad \{\} $$

たとえば、「20より小さくて30より大きい自然数の集合」は空集合になります。なぜなら、そのような数字は存在しないからです。

2.2. 和集合(わしゅうごう)

2つの集合 \( A \) と \( B \) の和集合は、\( A \) と \( B \) のいずれかに属する要素をすべて含む集合です。
次のように表します。

$$ A \cup B = \{ x \mid x \in A \text{ または } x \in B \} $$

2.3. 積集合(せきしゅうごう)

2つの集合 \( A \) と \( B \) の積集合は、\( A \) と \( B \) の両方に属する要素のみからなる集合です。
次のように表します。

$$ A \cap B = \{ x \mid x \in A \text{ かつ } x \in B \} $$

2.4. 補集合(ほしゅうごう)

ある集合 \( U \) を全体集合とすると、集合 \( A \) の補集合は、\( U \) に属し、かつ \( A \) に属さない要素からなる集合です。
次のように表します。

$$ A^c = \{ x \mid x \in U \text{ かつ } x \notin A \} $$

2.5. 差集合(さしゅうごう)

2つの集合 \( A \) と \( B \) において、\( A \) に属し、かつ \( B \) に属さない要素からなる集合を差集合といいます。
次のように表します。

$$ A – B = \{ x \mid x \in A \text{ かつ } x \notin B \} $$

3. 集合の例題

3.1. 例題 1: 集合の要素を確認しよう

集合 \( A = \{2, 4, 6, 8, 10\} \) があります。

  1. \( 4 \in A \) は正しいですか?
  2. \( 5 \in A \) は正しいですか?
  3. 集合 \( A \) に含まれる要素をすべて挙げてください。
  1. \( 4 \in A \) は正しい。なぜなら、4 は集合 \( A \) に含まれるからです。
  2. \( 5 \in A \) は正しくない。5 は集合 \( A \) の要素ではありません。
  3. 集合 \( A \) の要素は \( 2, 4, 6, 8, 10 \) です。

3.2. 例題 2: 集合の表記

次の説明に基づいて集合を作成しなさい。

  1. 「10 以下の自然数で、3 の倍数」
  2. 「5 より大きく 12 以下の整数」
  3. 「0 と 1 のみを要素とする集合」
  1. 集合 \( B = \{3, 6, 9\} \)
  2. 集合 \( C = \{6, 7, 8, 9, 10, 11, 12\} \)
  3. 集合 \( D = \{0, 1\} \)

3.3. 例題 3: 要素を含む条件

次の要素がそれぞれの集合に含まれるかどうかを答えてください。

  1. 集合 \( H = \{x \mid x は 1 以上 10 以下の偶数\} \) に \( 7 \) は含まれますか?
  2. 集合 \( I = \{x \mid x は 0 以上の整数で、5 の倍数\} \) に \( 15 \) は含まれますか?
  3. 集合 \( J = \{a, b, c, d\} \) に \( e \) は含まれますか?
  1. \( 7 \) は含まれません(7 は奇数だから)。
  2. \( 15 \) は含まれます(15 は 5 の倍数だから)。
  3. \( e \) は含まれません(\( J \) の要素に \( e \) は存在しない)。

3.4. 例題 4: 空集合の確認

次の条件を満たす集合において、それぞれ空集合になるかどうかを答えなさい。

  1. 集合 \( K = \{x \mid x は 0 以下の自然数\} \)
  2. 集合 \( L = \{x \mid x は偶数で、奇数でもある\} \)
  3. 集合 \( M = \{x \mid x は 5 以上 5 以下の整数\} \)
  1. \( K \) は空集合です(自然数は正の整数なので、0 以下のものはありません)。
  2. \( L \) は空集合です(偶数と奇数を同時に満たす数はありません)。
  3. \( M \) は空集合ではありません(\( M = \{5\} \) となります)。
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