更新:2025/02/02
確率過程の意味と具体例について


はるか
確率過程、時間とともに変化する確率変数の集まりのこと。株価の変動とか、気温の変化とか。

ふゅか
そうね!例えば、時間が経つにつれて値が変わるものも確率過程の一つだね!
目次
1. 確率過程とは?
確率過程(stochastic process)とは、時間とともに変化する確率変数の集まりのことです。たとえば、株価の変動、気温の変化、通信ネットワークのデータ流量など、時間の経過によって値が変わるものを確率過程としてモデル化することができます。
確率過程には、大きく分けて 連続時間型 と 離散時間型 があります。
- 連続時間型: 時間が連続しており、どの時刻でも値が定義される(例:気温の変化)。
- 離散時間型: 時間が飛び飛びになっており、特定の時点でのみ値が定義される(例:毎時間の降水量)。
また、確率過程のパス(path)とは、ある特定の試行における確率過程の値の推移を指します。
2. 確率過程の基本的な種類
2.1. 独立定常増分過程(Independent and Stationary Increments Process)
確率過程 \( X = (X_t)_{t \geq 0} \) が次の2つの性質を満たす場合、独立定常増分過程と呼ばれます。
- 独立増分性(Independent Increments): 任意の \( 0 \leq t_1 < t_2 < \dots < t_n \) に対して、増分 \[ X_{t_2} - X_{t_1}, X_{t_3} - X_{t_2}, \dots, X_{t_n} - X_{t_{n-1}} \] が互いに独立である。
- 定常増分性(Stationary Increments): 任意の \( h > 0 \) に対して、 $ X_{t+h} - X_t $と$ X_h - X_0 $ の分布が同一になる。(増分の分布が時間に依存しない)。
2.2. ポアソン過程(Poisson Process)
ポアソン過程は、一定時間内に発生するランダムなイベントの回数をモデル化する確率過程です。
ポアソン過程の特徴は次の通りです。
- 独立定常増分性 を持つ。
- 各時刻 \( t \) において、発生するイベントの回数 \( N_t \) はポアソン分布に従う。
\[ P(N_t = k) = \frac{(\lambda t)^k}{k!} e^{-\lambda t} \quad (k = 0, 1, 2, \dots) \]
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