サブネットマスクとは?ゆるーくわかりやすく解説



1. サブネットマスクとは?
サブネットマスクは、ネットワーク上でIPアドレスを管理しやすくするための仕組みです。通常、インターネットや企業のネットワークは、たくさんのデバイス(コンピュータ、スマートフォンなど)がつながっており、それらのデバイスは各々に「IPアドレス」という識別番号を持っています。しかし、ただIPアドレスが並んでいるだけでは、どのデバイスがどのネットワークに属しているかを区別するのが難しいです。ここで登場するのがサブネットマスクです。
1.1. サブネットマスクの役割
サブネットマスクは、IPアドレスを「ネットワーク部」と「ホスト部」に分けるために使います。
- ネットワーク部: これはネットワーク全体を指し、どのグループ(ネットワーク)にデバイスが属しているかを示します。
- ホスト部: これは特定のネットワーク内の各デバイスを指し、同じネットワーク内でどのデバイスかを区別します。
1.2. 英語で意味を考える
「サブネットマスク(subnet mask)」という用語は英語を直訳すると「サブネット(部分ネットワーク)を覆うマスク」となります。ネットワークをさらに小さな部分(サブネット)に分割する際に、どの部分がネットワークアドレスで、どの部分がホストアドレスかを区別する「マスク(覆い)」の役割を果たします。
具体的には、サブネットマスクはビット単位でネットワーク部分とホスト部分を区別します。ビットが「1」の部分がネットワークアドレスで、ビットが「0」の部分がホストアドレスを表します。英語の「mask(覆い隠すもの)」が示す通り、このマスクがあることで、IPアドレスのどこまでがネットワークで、どこからがホストかが明確になるわけです。
2. サブネットマスクの仕組み
サブネットマスクは通常「255.255.255.0」などの形式で表されます。各「255」は、2進数で「11111111」となり、ネットワーク部分を表しています。一方、最後の「0」はホスト部分を表し、これは2進数で「00000000」になります。
例えば、「192.168.1.0」というIPアドレスと「255.255.255.0」というサブネットマスクがあった場合、
- ネットワークアドレス:「192.168.1.0」
- このアドレスはネットワークそのものを指し、ホストとしては使用できません。
- ブロードキャストアドレス:「192.168.1.255」
- このアドレスは、このネットワーク内の全ホストに向けたデータ送信(ブロードキャスト)専用のアドレスで、ホストには使えません。
したがって、このネットワーク内でホストが利用できる範囲は「192.168.1.1」から「192.168.1.254」となります。
3. サブネットマスクと論理積
ネットワーク部とホスト部の区別を行う際、論理積(AND)が用いられます。サブネットマスクとIPアドレスをビット単位で比較し、論理積をとることで、ネットワーク部分のみを抽出するのです。論理積は、「1と1の場合にのみ1」という性質があり、サブネットマスクとIPアドレスのビット同士で計算することで、ネットワーク部分が特定されます。これにより、同じネットワーク内かどうかの判定が可能になります。



3.1. ネットワーク部を求める例
192.170.2.5というipアドレスがある場合、「255.192.0.0」というサブネットマスクがあった場合、論理積でネットワーク部を求める。
IPアドレス(192.168.2.5)の2進数表記は 11000000.10101010.00000010.00000101です。
一方で、サブネットマスクの2進数表記は11111111.11000000.00000000.00000000となります。
ネットワーク部は10進数表記に直すと「192.128.0.0」となります。