【SymPy】対数の演算logcombineの使い方について


はるか
logcombine関数って知ってる?

ふゅか
うん!SymPyで使う関数で、対数式をきれいにまとめたりするものだよ!例えば、足し算の対数を乗法に変えたりするの!
目次
1. SymPyのlogcombine関数とは?
1.1. SymPy
SymPyはPythonで数学的な式を扱うためのライブラリで、多くの便利な機能を提供しています。その中でもlogcombine
関数は、対数の式を簡単にまとめたり展開したりするためのものです。また、simplifyという関数もあります。
1.2. logcombine
logcombine
関数は、以下のような役割を果たします。
- 複数の対数を1つにまとめる
- 対数の基本性質(乗法、除法、累乗法則)を用いて式を簡潔にする
2. logcombineの使い方
2.1. 基本的な使い方
logcombine
を使用して、複数の対数をまとめてみましょう。
from sympy import symbols, log, logcombine
# シンボルの定義
x, y = symbols('x y')
# 対数式の例
expr = log(x) + log(y)
# logcombineを適用
result = logcombine(expr)
print(result)

はるか
元の式のままだ。単純化されてない…。

ふゅか
それはね・・・x,yが正かどうかわからない。つまり、真数条件を満たしているかどうかがわからないからだよ!
ということで、真数が正であることをpositive=Trueと明記すると、
from sympy import symbols, log, logcombine
# シンボルの定義
x, y = symbols('x y',positive=True)
# 対数式の例
expr = log(x) + log(y)
# logcombineを適用
result = logcombine(expr)
print(result)
ここでは、対数の基本性質である「加法は乗法に変換できる」というルールを適用して、log(xy)
に簡素化されました。
2.2. 引き算の対数をまとめる

はるか
引き算の場合は?

ふゅか
引き算なら除法に変換されるよ
次に、引き算の対数式をまとめる例です。
expr = log(x) - log(y)
# logcombineを適用
result = logcombine(expr)
print(result)
引き算は「除法」として変換され、log(x/y)
にまとめられています。
2.3. 累乗の法則を適用する
累乗が含まれる場合も、logcombine
で簡素化できます。
expr = 2 * log(x)
# logcombineを適用
result = logcombine(expr)
print(result)
3. 熱力学での式整理
例えば、次の式があります。
$$\ln(P) + \ln(V) - \ln(nRT)$$
これをlogcombine
で簡素化します。
from sympy import symbols, log, logcombine
# シンボル定義
P, V, n, R, T = symbols('P V n R T',positive=True)
# 熱力学の式
expr = log(P) + log(V) - log(n*R*T)
# 簡素化
result = logcombine(expr)
print(result)
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