テストカバレッジとは何か?ゆるーくわかりやすく解説



1. テストカバレッジの要点
テストカバレッジとは・・・
- ホワイトボックステストで登場する網羅率について着目した考え方
- 英語だと、Test Coverage
2. テストカバレッジとは?
テストカバレッジ(Test Coverage)は、ソフトウェアのテスト工程において、「プログラム全体のどのくらいがテストされているか」を数値や割合で表した指標です。簡単に言えば、プログラムのコードがテストでどれだけチェックされたかを可視化したものです。
2.1. 英語から推測すると
「Test Coverage」という英語から推測すると、
- Test: 「テスト」や「試験」を指します。ソフトウェアの場合、プログラムの動作を確認するためのテスト工程を意味します。
- Coverage: 「カバーすること」や「覆われている範囲」を意味します。
つまり、「Test Coverage」を直訳すると「テストのカバー範囲」となり、「プログラムのどの部分がテストによって確認されているのか」を測定する概念を指します。
3. テストカバレッジの目的
テストカバレッジの主な目的は、次のようなものがあります。
3.1. テストの網羅性を確認すること
ソフトウェアのテストでは、可能な限り多くのコードをテストすることでバグや欠陥を減らすことができます。テストカバレッジを高めることは、ソフトウェアの品質向上に直結します。
3.2. テスト不足の部分を特定すること
テストカバレッジを測定することで、どのコードがテストされていないかを特定できます。その結果、追加でテストを作成するべき箇所が明確になります。
4. テストカバレッジの測定方法
テストカバレッジは主に以下のような視点で測定されます:


4.1. 命令網羅(Statement Coverage)
命令網羅はプログラム内のすべての命令が実行されたかどうかを測定します。
4.2. 分岐網羅(Branch Coverage)
分岐網羅は条件分岐が正しくテストされているかを測定します。ifやswitchといった条件分岐のすべてのパス(条件が真の場合と偽の場合など)をテストする必要があります。
4.3. 条件網羅(Condition Coverage)
条件網羅は分岐条件を構成する各個別の条件式に着目し、それぞれが「真」と「偽」になるパターンを測定します。分岐の結果全体ではなく、条件式ごとの評価結果を網羅することで、細かい論理不備を発見しやすくなります。
4.4. 複数条件網羅(Multiple Condition Coverage)
複数条件網羅は条件網羅をさらに徹底したもので、条件を構成するすべての真偽組み合わせを測定します。
5. 使用されるツール
テストカバレッジ分析には専用のツールが利用されます。代表的なツールには以下のようなものがあります:
- JaCoCo(Java用)
- Istanbul(JavaScript用)
- gcov(C/C++用)
- Cobertura(Java用)
- SimpleCov(Ruby用)
これらのツールは、プログラムを実行しながらテストカバレージデータを収集し、視覚的なレポートを生成する機能を提供します。
6. テストカバレッジの課題
6.1. 必ずしもカバレッジの高さ=品質ではない
テストカバレッジが高いことと、ソフトウェアのバグが少ないことは必ずしも一致しません。テストの質も重要です。
6.2. 測定ツールへの依存
テストカバレッジを測定するツールの精度や設定によって、結果が異なる場合があります。適切なツール選びが重要です。