LaTeX & KaTexでインテグラル∫(積分記号)を書く方法について

「積分記号をLaTeXで書く方法が分からない…」
そんな悩みを持ったことはありませんか?
特に、LaTeXでの記述に慣れていないと、「どうやって上下の範囲を指定するの?」「多重積分や線積分はどう表現するの?」といった疑問が湧いてくるでしょう。
この記事では、基本的な積分記号の書き方から、重積分・線積分・応用例まで、分かりやすく解説します。LaTeXでの積分記法をマスターし、見やすく美しい数式を作成できるようになりましょう!





1. 積分記号の書き方
LaTeX で積分記号を出力するには、基本的に
$$\int_{下限}^{上限} 関数 \, dx$$
\int_{下限}^{上限} 関数 \, dx
の形式を用います。具体的には以下のように書きます。
$$\int_{0}^{1} x^2 \, dx$$
\[
\int_{0}^{1} x^2 \, dx
\]

\int_{下限}^{上限} 関数 \, dx
の形で書くよ。たとえば…
\int_{0}^{1} x^2 \, dx
で、0から1までの$x^2$の積分。上の例では、積分範囲が \(0\) から \(1\)、被積分関数が \(x^2\)、変数が \(x\) になっています。積分記号が大きく表示され、添字も上下にしっかり表示されるので、見た目も分かりやすいです。\(\,dx\) の前のバックスラッシュ付き空白(\,
)は、微分要素と関数を区別して読みやすくするための余白です。必要に応じて \;
や \!
などで微調整できます。
また、インテグラルのような大きな記号はtexでは大型演算子として分類されます。
2. 複数積分の場合
重積分(多重積分)の場合は以下のように書きます。
\[ \iint_D f(x,y)\, dx\,dy \]
\[
\iint_D f(x,y)\, dx\,dy
\]
三重積分なら
\[
\iiint_V f(x,y,z)\, dx\,dy\,dz
\]
\[
\iiint_V f(x,y,z)\, dx\,dy\,dz
\]
のように、i を重ねることで示すことが多いですが、実際には
$$\int\!\!\int_D f(x,y)\, dx\,dy$$
\int\!\!\int_D f(x,y)\, dx\,dy
のように書く場合もあります。
3. 線積分・面積分の書き方
線積分や面積分を示す場合は、よく使われる記号として
$$\oint$$
\oint
(閉曲線上の線積分を表す)や
$$\iint_S$$
\iint_S
(面積分を表す)などがあります。必要に応じて
$$\oint_C f(x, y)\, ds$$
\oint_C f(x, y)\, ds
のように書いて、積分範囲や経路 \(C\) を下添字で示すことが多いです。
4. 応用例
4.1. 無限区間を含む定積分
\[ I = \int_{0}^{\infty} \frac{x^2}{1 + x^4} \, dx \]
\[
I = \int_{0}^{\infty} \frac{x^2}{1 + x^4} \, dx
\]
- 下限が \(0\)、上限が \(\infty\) の例です。
4.2. 重積分(2重積分)
\[ J = \iint_{D} \exp\bigl(x^2 + y^2\bigr)\, dx\, dy \]
\[
J = \iint_{D} \exp\bigl(x^2 + y^2\bigr)\, dx\, dy
\]
- 二重積分を表すために \(\iint\) を使っています。
- 領域 \(D\) をどのように定義するかで、積分が非常に複雑になる場合があります(例:\(D = \{(x,y)\mid x^2+y^2 \leq R^2\}\) のように円板を考えるなど)。
4.3. 三重積分(球領域)
\[ K = \iiint_{x^2 + y^2 + z^2 \le R^2} e^{-\alpha(x^2 + y^2 + z^2)} \, dx\, dy\, dz \]
\[
K = \iiint_{x^2 + y^2 + z^2 \le R^2} e^{-\alpha(x^2 + y^2 + z^2)} \, dx\, dy\, dz
\]
- 三重積分では \(\iiint\) を使います。
- 球領域(\(x^2 + y^2 + z^2 \leq R^2\))に対する積分の例です。
4.4. 線積分(ベクトル場に対する積分)
\[ \oint_{C} \mathbf{F} \cdot d\mathbf{r}, \quad \text{ただし} \quad \mathbf{F}(x,y) = (x - y, xy), \; C: x^2 + y^2 = 1 \]
\[
\oint_{C} \mathbf{F} \cdot d\mathbf{r},
\quad \text{ただし} \quad \mathbf{F}(x,y) = (x - y, xy),
\; C: x^2 + y^2 = 1
\]
- \(\oint\) を使って、閉曲線上の線積分を表すことができます。
- ベクトル場 \(\mathbf{F} = (x-y,\; x y)\) として、単位円 \(x^2 + y^2 = 1\) 上の線積分を行う例です。
4.5. 複数行で書く・分割して書く
\[ \begin{aligned} \int_{0}^{\infty} \frac{\ln(x)}{1 + x^2} \, dx &= \int_{0}^{1} \frac{\ln(x)}{1 + x^2} \, dx + \int_{1}^{\infty} \frac{\ln(x)}{1 + x^2} \, dx \\ &= \quad \dots \end{aligned} \]
被積分関数がさらに複雑で長い場合や、途中で何らかの操作(部分積分や変数変換など)を示したい場合は、\begin{aligned} ... \end{aligned}
を使って複数行に分けて書くこともあります。たとえば、
\[
\begin{aligned}
\int_{0}^{\infty} \frac{\ln(x)}{1 + x^2} \, dx
&= \int_{0}^{1} \frac{\ln(x)}{1 + x^2} \, dx
+ \int_{1}^{\infty} \frac{\ln(x)}{1 + x^2} \, dx \\
&= \quad \dots
\end{aligned}
\]
のようにすると、計算過程を段階的に示せるので可読性が上がります。