トランスポート層とは?ゆるーくわかりやすく解説



1. トランスポート層の要点
トランスポート層とは・・・
- OSI参照モデルの第4層
- 信頼性のあるデータの送受信を保証する
2. トランスポート層とは?
トランスポート層は、コンピュータネットワークにおける通信を支える重要な層の一つです。これは、OSI参照モデル(通信プロトコルを階層的に分けたモデル)の第4層に位置しています。この層の役割は、データを信頼性のある方法で送受信し、通信がスムーズに行えるようにすることです。
具体的には、トランスポート層はアプリケーション間の通信を管理し、データを正確に、順序を保って届ける責任を担っています。この層がしっかり機能しているおかげで、メールを送ったり、ウェブページを閲覧したり、ファイルをダウンロードしたりといった日常的なインターネット利用が実現しているのです。
3. トランスポート層の主な役割
トランスポート層の役割をもう少し具体的に見ていきましょう。
3.1. データの分割と再構築
アプリケーションから送られてくるデータは、大きな一塊の状態です。このままではネットワークで扱うのに不便なので、トランスポート層がデータを小さな単位(セグメント)に分割します。そして受信側では、分割されたデータを元通りに組み立てます。


3.2. 信頼性の確保
トランスポート層は、データが確実に相手に届くようにします。このため、以下のような機能が備わっています。
- エラーチェック: データが破損していないか確認します。
- 再送要求: データが届かなかった場合やエラーが発生した場合、再送をリクエストします。
3.3. 順序の保証
ネットワーク上では、データがバラバラの順序で届くことがあります。しかし、トランスポート層が順序を確認して正しい順番に並び替えるので、受信側では元の状態でデータを受け取れます。
3.4. フロー制御
送り手が一方的に大量のデータを送ると、受け手が処理しきれなくなることがあります。これを防ぐために、トランスポート層は送り手と受け手の間で通信速度を調整し、過負荷を避けます。
3.5. ポート番号による識別
トランスポート層は、複数のアプリケーションが同時に通信しても混乱しないように、ポート番号を使って通信先を識別します。たとえば、ウェブブラウザが使用するポート番号(80や443)やメール送信に使うポート番号(25や587)などがあります。
4. トランスポート層で使われる主要なプロトコル
トランスポート層の通信を実現するためのプロトコルには、以下のようなものがあります。
4.1. TCP(Transmission Control Protocol)
TCPは、信頼性の高い通信を提供するプロトコルです。特徴は以下の通りです。
- データが正しく、順番通りに届くことを保証。
- 再送機能やエラーチェックが備わっている。
- Webブラウザやメールなど、信頼性が求められる通信で使用される。
4.2. UDP(User Datagram Protocol)
UDPは、TCPに比べてシンプルで軽量なプロトコルです。特徴は以下の通りです。
- データの到達や順序を保証しない。
- 動画ストリーミングやオンラインゲームなど、多少のデータ損失が許容される通信で使用される。
5. トランスポート層が重要な理由
トランスポート層がなければ、ネットワーク上でデータの送受信が不安定になり、アプリケーションが正しく機能しなくなります。たとえば、ウェブサイトが途中で読み込めなくなったり、メールが途中で消えてしまったりといった問題が発生するでしょう。

