更新:2024/12/28
ウェーバー・フェヒナーの法則の意味と性質について


はるか
ウェーバー・フェヒナーの法則って、知ってる?

ふゅか
うん!刺激と感覚の関係を説明する心理学の法則でしょ?人間の「感じ方」にすごく関係しているんだよね!
1. ウェーバー・フェヒナーの法則
人間が刺激に対してどのように反応するかを数式で表すことは、心理学や神経科学で研究されています。その中で有名なものの一つがウェーバー・フェヒナーの法則です。これにより、刺激の強さと感覚の関係を以下のように数式で表すことができます。
1.1. ウェーバーの法則
感覚の差を感じるための最小の刺激差(丁度可知差異)は、元の刺激強度 \( I \) に比例するとされます。
\[ \frac{\Delta I}{I} = k \]
- \( \Delta I \): 刺激の差(感じられる最小の差異)
- \( I \): 元の刺激強度
- \( k \): ウェーバー比(感覚の種類ごとに異なる定数)
1.2. フェヒナーの法則
感覚の強さ \( S \) は、刺激の物理的強さ \( I \) の対数に比例すると表現されます。
\[ S = k \log I \]
- \( S \): 感覚の強さ
- \( I \): 刺激の強さ(物理的な量)
- \( k \): 比例定数(個体差や感覚の種類に依存)
2. 直感的な意味
- 刺激の変化を感じるためには、もともとの刺激が強いほど大きな変化が必要
例えば、静かな部屋で時計の秒針の音が聞こえたとしても、騒がしいパーティーの中では同じ音がほとんど感じられません。
→ 感覚は相対的に働くということを示しています。 - 感覚は刺激の大きさに比例して増えるのではなく、徐々に鈍くなる
例えば、部屋がとても暗いときに少し電気をつけると「明るい!」と感じますが、もともと明るい部屋でさらに電気を増やしても「少し明るくなったかな?」程度にしか感じません。
→ 刺激が強くなるほど、感覚の変化は少なく感じられます。これは、脳が「変化を効率的に処理する」仕組みです。 - 人間は対数的に刺激を捉える傾向がある
例えば、音量が2倍になったとしても、それを「少し大きくなった」と感じるのは、この対数的な感覚の性質によるものです。

はるか
まとめると、刺激が強くなるほど感覚の変化は小さく感じる。対数的な性質。

ふゅか
そうそう!たとえば、音量を少し上げてもあんまり変わらないと感じだよね。
3. ウェーバー・フェヒナーの法則を積分
厳密ではないですが、ウェーバーの法則を微小な変化 \(\Delta I\) を微分形式で表すと、次のようになります。
\[ \frac{dI}{I} = k \]
この式を積分すると、フェヒナーの法則が得られます。両辺を積分すると、
\[ \int \frac{dI}{I} = \int k \, dS \]
左辺は対数関数の性質を使って次のように計算できます。
\[ \log I = k S + C \]
\(S\) について解くと、次のようになります。
\[ S = \frac{\log I - C}{k} \]
k、Cは定数記号であるので、次のように書き直すことができます。
\[ S = k \log I +C \]
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