更新:2024/12/15

加重平均の意味と計算方法、応用事例について

はるか
はるか
加重平均って聞いたことある?
ふゅか
ふゅか
あるよ!データの「重み」を考慮して計算する方法だよね。例えば、期末テストの成績を重視するとか!

1. 加重平均

加重平均(Weighted Average)は、データの重要度に応じて計算される平均値です。通常の算術平均ではすべてのデータを均等に扱いますが、加重平均ではそれぞれの値に重み(ウェイト)を設定し、重要なデータをより重視します。

1.1. 加重平均の計算式

加重平均は以下の式で計算されます。

\[ \text{加重平均} = \frac{\sum w_ix_i}{\sum w_i} \]

ここで

  • \(x_i\):各データの値
  • \(w_i\):各データに対応する重み
  • \(\sum\):全データの合計
はるか
はるか
要するに、値に重みを掛けて、それを全体の重みで割るだけ。
ふゅか
ふゅか
そうそう!だから重みが大きいデータほど、結果に大きく影響するってわけね!

1.2. 加重平均の具体例

例えば、学生のテスト成績を算出する場面を考えましょう。

  • 中間テスト(重み:0.4):80点
  • 期末テスト(重み:0.6):90点

期末テストをより重視したい場合、加重平均を使います。ここで、重みの和は1になることに注意する。

  1. 各得点に重みを掛けます
    • 中間テスト:80 × 0.4 = 32
    • 期末テスト:90 × 0.6 = 54
  2. 重みを掛けた得点を合計します
    • 32 + 54 = 86

結果として、総合点の加重平均は86点になります。

2. 加重平均の計算問題

2.1. 例題 1:テストの成績

ある学生が 3 科目のテストを受けました。それぞれの科目の点数とその重みは以下の通りです。点数の加重平均を計算しなさい。

科目 点数 (値) 重み
数学 80 3
英語 70 2
理科 90 5
  1. 点数と重みを掛ける
    • 数学: \( 80 \times 3 = 240 \)
    • 英語: \( 70 \times 2 = 140 \)
    • 理科: \( 90 \times 5 = 450 \)
    • したがって、合計は $240 + 140 + 450 = 830$
  2. 重みの合計は10であるから、加重平均を計算すると、
    \[ 加重平均 = \frac{830}{10} = 83 \]

答え:83 点

2.2. 例題 2:商品価格の平均

3種類の商品を購入しました。それぞれの単価と購入数は以下の通りです。単価の加重平均を計算しなさい。

商品名 単価 (値) 重み
A 200 円 2 個
B 300 円 1 個
C 500 円 3 個
  1. 単価と購入数を掛ける
    • A: \( 200 \times 2 = 400 \)
    • B: \( 300 \times 1 = 300 \)
    • C: \( 500 \times 3 = 1500 \)
    • 掛けた値を計算すると
      \[ 400 + 300 + 1500 = 2200 \]
  2. 重みは6であることから、加重平均を計算すると
    \[ 加重平均 = \frac{2200}{6} = 366.67 \, \text{円} \]

3. 加重平均と不等式の関係

加重平均は、不等式とも深い関係があります。加重平均が使われている不等式を見てみましょう。

はるか
はるか
加重平均、不等式でも活躍する。例えば、AM-GM不等式。

3.1. 重み付きAM-GM不等式

重み付きAM-GM不等式(weighted AM-GM inequality)は、重みの和が

$$w_1 + w_2 + \cdots + w_n = 1$$

であるときに次の不等式が成り立ちます。

\[ \sum_{i=1}^n w_i a_i \geq \prod_{i=1}^n a_i^{w_i} \]

3.2. Jensenの不等式

凸関数 \( f(x) \) に対して、任意の実数 \( x_1, x_2, \ldots, x_n \) と非負の重み \( \lambda_1, \lambda_2, \ldots, \lambda_n \) が以下を満たすとします。

\[ \lambda_i \geq 0, \quad \sum_{i=1}^n \lambda_i = 1 \]

このとき、次のJensenの不等式が成り立ちます

\[ f\left( \sum_{i=1}^n \lambda_i x_i \right) \leq \sum_{i=1}^n \lambda_i f(x_i) \]

4. 移動平均との関係

加重平均は移動平均に重みづけするためにも利用されます。重みづけした移動平均を加重移動平均(WMA)と呼ばれ次のように計算れます。

\[ \text{WMA}_t = \frac{\sum_{i=0}^{N-1} w_{i+1} P_{t-i}}{\sum_{i=1}^{N} w_i} \]

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