更新:2024/11/24

漸化式の意味・具体例と基本的なパターンについて

漸化式の意味・具体例と基本的なパターンについて
ふゅか
ふゅか
漸化式って、数列の項同士の関係を表すものだよね?
はるか
はるか
そう。特定の項を、前の項から計算する式。

1. 漸化式の意味

漸化式とは、数列の各項同士の関係を示す式のことです。ある項が、前の項に基づいて決定される場合、この関係を漸化式と呼びます。高校でよく出題される漸化式の多くは、一定のパターンを持っており、それらは解くことが可能です。ここでは、代表的な漸化式のパターンについて説明します。基本的には初項を \( a_1 \) として、以下のように進めます。

1.1. 漸化式の例

たとえば、以下のような数列 \( a_n \) があったとします。

  1. 初項:\( a_0 = 1 \)
  2. 漸化式:\( a_{n+1} = a_n + 2 \)

この場合、次の項は前の項に2を足すことで決まります。この漸化式に基づいて、数列の初項から次の項を順に計算していくと、

  • \( a_0 = 1 \)
  • \( a_1 = a_0 + 2 = 1 + 2 = 3 \)
  • \( a_2 = a_1 + 2 = 3 + 2 = 5 \)

といった具合に数列の値を求めることができます。

2. 漸化式の基本的なパターン

2.1. 等差数列型

まず、等差数列型の漸化式です。この型では、次の項が前の項に一定の差 \( d \) を加えたものとして表されます。

\[ a_{n+1} = a_n + d \]

この漸化式を解くと、次のような一般項の式が得られます。

\[ a_n = (n-1)d + a_1 \]

等差数列は、その名の通り、各項が一定の差で増減する数列です。例えば、1, 3, 5, 7,… のような数列は、差 \( d = 2 \) の等差数列です。

2.2. 等比数列型

次に、等比数列型の漸化式です。この型では、次の項が前の項に一定の比率 \( r \) を掛けたものとして表されます。

\[ a_{n+1} = r a_n \]

この漸化式を解くと、一般項は次のようになります。

\[ a_n = a_1 r^{n-1} \]

等比数列では、各項が前の項に一定の比を掛けたものです。例えば、2, 4, 8, 16,… のような数列は、比率 \( r = 2 \) の等比数列です。

2.3. 階差数列型

ふゅか
ふゅか
階差数列ってちょっと難しく感じるんだけど、どんな数列だっけ?
はるか
はるか
階差数列は、前の項との差が関数で表せる数列。$a_{n+1}=a_{n}+f(n)$。

階差数列型では、次の項が前の項に \( f(n) \) を加えた形で表されます。ここで \( f(n) \) は \( n \) に依存する関数です。

\[ a_{n+1} = a_n + f(n) \]

この漸化式の一般項は、次のように表されます。

\[ a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} f(k) \quad (n \geq 2) \]

階差数列では、各項の増加量が変化します。具体的な例として、数列が1, 2, 4, 7,… となる場合、各項の差が1, 2, 3,… と増加しています。

メモ

n=1の時も代入して、確かめる必要がある。初項と値が違うなら、場合分けが必要

2.4. 一次の二項間漸化式

$\alpha \neq 1,\alpha,\beta \in \mathbb{R} $とする。

ここで \( \alpha \neq 1 \) かつ \( \alpha, \beta \in \mathbb{R} \) とします。この漸化式の解法では、以下の形に変換することがポイントです。

\[\begin{align*} a_{n+1} - \frac{\beta}{1-\alpha} &= \alpha \left( a_n - \frac{\beta}{1-\alpha} \right) \\ \Leftrightarrow a_{n}-\dfrac{\beta }{1-\alpha }&=\alpha ^{n-1}\left( a_{1}-\dfrac{\beta }{1-\alpha }\right) \end{align*} \]

この式を解いていくと、一般項は次のように求められます。

\[ a_n = \alpha^{n-1} \left( a_1 - \frac{\beta}{1-\alpha} \right) + \frac{\beta}{1-\alpha} \]

$\dfrac{\beta }{1-\alpha }$は$a_{n}$と$a_{n+1}$を$x$として考え、その方程式の解を等比型になるように書きます。 

2.5. 一次の三項間漸化式

ふゅか
ふゅか
最後に、一次の三項間漸化式も説明してもらっていいかな?$a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_{n}$って形だけど、どう解けばいいの?
はるか
はるか
まず、方程式の解を$\alpha$と$\beta$で表す。あとは、連立方程式で解く。

$$a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_{n}$$

$x^{2}-px-q=0$の異なる解を$\alpha , \beta$とすると、

$$\begin{cases}a_{n+2}-\alpha a_{n+1}=\beta \left( a_{n+1}-\alpha a_{n}\right) \\ a_{n+2}-\beta a_{n+1}=\alpha \left( a_{n+1}-\beta a_{n}\right) \end{cases}$$

$$\Leftrightarrow \begin{cases}a_{n+1}-\alpha a_{n}=\beta ^{n-1}\left( a_{2}-\alpha a_{1}\right) \\ a_{n+1}-\beta a_{n}=\alpha ^{n-1}\left( a_{2}-\beta a_{1}\right) \end{cases}$$

連立方程式と考え、$a_{n+1}$を消去すると、

$$\left( \beta -\alpha \right) a_{n}=\beta ^{n-1}\left( a_{2}-\alpha a_{1}\right) -\alpha ^{n-1}\left( a_{2}-\alpha a_{1}\right) $$

$$\therefore a_{n}=\dfrac{1}{\beta -\alpha }\left\{ \beta ^{n-1}\left( a_{2}-\alpha a_{1}\right) -\alpha ^{n-1}\left( a_{2}-\beta a_{1}\right) \right\} $$

重解の時は、異なる方法を用います。

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